相続税 その2
- 沢田 :このコーナーでは、現役の税理士さんにスタジオに来てもらいまして、税金のことはもちろん、起業や相続、不動産といった専門的な話ですとか、実際に、税理士さんがどんな仕事をしているのかなど、毎週火曜日にうかがっています。
今日は、「九州北部税理士会」所属の税理士、松永恵美子さんにお越し頂きました。松永さん、よろしくお願いします!
- 沢田 :前回は川野税理士に相続税についてお話をしてもらいました。今回も引き続いて相続税についてお話をうかがいます。
- ナカジー:前回は川野さんから、8000万円くらい財産があると相続税がかかると伺いましたけど、何でも…、配偶者が財産を相続した場合には、相続税が安くなるそうですね?
- 松永 :実は、そうなんです。税金が優遇されます。配偶者は、1億6千万円まで遺産をもらっても相続税はかかりません。
- らぶ子 :じゃ~、相続財産が5億円ある場合はどうなるんですか?
- 松永 :5億円ですか?そうですね、5億円も相続される方は、まずは税理士に相談していただきたいですね。
- らぶ子 :そりゃそうですよね。
- 松永 :例えば、配偶者が、1億6千万円以上の財産をもらう場合ですけれども、法定相続分という、法律で決められた部分までは相続税はかからないんです。相続人が配偶者と子どもの場合、法定相続分は、それぞれ2分の1ずつですから、配偶者は、5億の半分、2億5千万円までもらっても、相続税はかからないことになりますね。
- 沢田 :そりゃ~、配偶者は優遇されないと困るでしょ…夫婦ですから~。
- 松永 :そうですよね。その後の生活などを考慮して優遇されています。
- ナカジー:子どもがいる人はたいてい生命保険に入ってますけど、生命保険金には相続税はかからないんですか?
- 松永 :いい質問です!受け取った生命保険金や損害保険金の保険料を亡くなった方が支払っていたら相続税の課税対象になります。
- らぶ子 :え~!!生命保険金にも相続税がかかるんですか!?
- 松永 :かかります。しかし、生命保険金や損害保険金には「相続人1人に500万円相当分」の非課税枠があります。
- ナカジー:奥さんと子ども2人、合計3人の場合は500万円×3で1500万円が非課税ということですね。
- 松永 :はい。先ほどの配偶者の税金の優遇と同じで遺族のその後の生活を考慮して生命保険金にも非課税の枠があります。
- 沢田 :あの~松永さん、「借金」も相続財産になるんですよね?
- 松永 :またまたいい質問です。借金も相続財産になります。亡くなられた方に借金がある場合は相続財産から差引くことができます。他にも未払いの税金や葬式費用も差引くことができます。借金と言っても住宅ローンの場合、団体信用生命保険に加入しているときは、借金自体が無くなってしまうので気をつけなくてはいけません。ちょっと話が難しくなりますが、「相続時精算課税」という贈与税の制度がありまして、普通の贈与の場合には110万円を超える財産をもらえば贈与税がかかるんですが、20歳以上の人が、65歳以上の親から財産をもらうときには、この制度を選択できます。
- 沢田 :ん?? 相続時精算課税を選択すれば贈与税がやすくなるんですか?
- 松永 :ちょっとした手続きが必要ですが、相続時精算課税では、2500万円まで財産をもらっても贈与税がかからないんです。
- 沢田 :2500万円は大きいですね。でも贈与税がかからなくても相続時精算課税ということは相続のときに精算するんですよね?
- 松永 :はい。贈与者である親が亡くなった時に相続財産に含めて精算をします。けれどもこの制度は、相続税のかからない人にとって、大きなメリットがあります。
- 沢田 :なるほど~。
- 松永 :今回のお話は、「相続税のお話」のほんの入口です。税金のお話は、とても奥が深いので、税金のことで疑問に思うことがありましたら、ぜひ、税の専門家である私たち税理士にご相談下さい。
- 沢田 :いや~、ちょっとレベルが上がって来たような気がしますが、らぶ子もしっかりついてくるようにね!
また、パオーンを聞いている皆さんも、税理士さんに質問などがありましたら、パオーン宛に送ってください。
それから、今日は税理士会からのお知らせがあります。12月4日、今週の土曜日に税理士会や弁護士会、司法書士会など9つの専門職団体が合同して「くらし・事業なんでも相談会」を開催します。場所は、福岡市中央区舞鶴の福岡市健康づくりセンター「あいれふ」の10階講堂で、朝10時から開催します。無料相談会ですので、是非、ご活用ください。
詳しくは、九州北部税理士会のホームページをご覧下さい。
スタジオには、九州北部税理士会の税理士、松永恵美子さんでした。
ありがとうございました。