年末調整
- 沢田 :このコーナーでは、現役の税理士さんにスタジオに来てもらいまして、税金のことはもちろん、起業や相続、不動産といった専門的な話ですとか、実際に、税理士さんがどんな仕事をしているのかなど、毎週火曜日にうかがっています。
今日は、「九州北部税理士会」所属の税理士、松永恵美子さんにお越し頂きました。松永さん、よろしくお願いします!
- 沢田 :早いもので今年も12月中旬になりました。年末になると我われサラリーマンには年末調整があって、税金が還付されるんですけど、ま~、必ずしも戻ってくる訳ではなくて追徴されることもありますよね?
- 松永 :そうですね。サラリーマンの方は、会社や個人事業主が、お給料から毎月所得税を預っています。年末に、この預かった所得税が、本当に正しかったのか? を会社や個人事業主がチェックしてくれます。これが年末調整ですが、今まで預かった所得税が多い場合には還付となり、逆に少ない場合には、不足分を支払うことになります。
- らぶ子 :税金が戻ってくると期待していたのに、不足だったらショックですよね。どうしてそうなるんですか。
- 松永 :扶養者に異動があった場合や賞与の額が多かった場合とかには不足がでることもあります。ただ、普通は生命保険料控除などがありますから還付されることが多いですね。
- 沢田 :生命保険は奥さんが掛けているものもいいんですよね?
- 松永 :そうですね。生命保険料を誰が負担したのか?で考えます。奥さんが契約者でも、沢田さんが保険料を負担していれば、沢田さんの控除の対象になります。
- ナカジー:じゃ、奥さんがこっそり掛けているこどもの保険もいいんですね。
- 松永 :えぇ~、こっそり掛けているなら、ご主人は知らないと思いますが…、ちょっと注意点があります。保険料を負担した人と保険金の受取人が違うときは贈与税がかかることがあります。ですから、保険の契約者は保険料の負担者と同じにしておいた方がいいと思います。
- らぶ子 :生命保険のほかには何が控除できるんですか?
- 松永 :個人年金保険料は一般の生命保険とは別に控除の対象になります。生命保険会社からの、控除証明書に個人年金用と書いてあるものです。他に地震保険料も控除が受けられます。
- 沢田 :今は二十歳になったら国民年金に加入しないといけないんですがこの保険料は控除できるんですか。
- 松永 :その人と生計を一つにしている親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合には社会保険料控除が受けられます。国民年金保険料のほかにも、家族の国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療保険料などを負担したら控除できます。
- ナカジー:あの~、アルバイトをしている学生やパートに出でいる主婦が扶養に入れられるのは、収入はいくらまででしたっけ?
- 松永 :はい、アルバイトやパートの給与収入が年103万円以下であれば大丈夫です。配偶者の場合は103万円を超えても配偶者特別控除がありますので税金の負担が急に増えるということはありません。
- ナカジー:子どものアルバイト代とか知らないと思うんですが、もし103万円超えているのに扶養親族にしていたらどうなるんですか。
- 松永 :会社が行った年末調整が間違っていますよ、という通知が会社にきます。忘れたころに突然、税金を支払うことになるので、皆さんとても驚かれます。年末には子供の収入は確認していた方がいいですね。
- 沢田 :あと、医療費控除は年末調整でできるんでしたっけ?
- 松永 :医療費控除や寄付金控除、雑損控除は年末調整ではできません。年が明けてご自分で確定申告をすれば還付を受けられます。それから、マイホームを建てられて、住宅借入金の特別控除を受けられている方は2年目からは確定申告をしなくても年末調整で控除が受けられます。税務署から送られてきた給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書と金融機関から送られてきた控除を受けるための残高証明書を勤め先に提出して控除を受けて下さい。
- 沢田 :たくさん戻ればラッキーな年末調整なんですが、KBCは、数年前から銀行振込みなんですよね~。この残念な感じ、わかりますか?
- 松永 :家計を預かる主婦は、そういう抜け道を許しませんよ~!
- 沢田 :ということで、今回は、年末調整のお話でした。
税理士さんに質問などがありましたら、パオーン宛に送ってください。
また、九州北部税理士会のホームページもご覧下さい。
スタジオには、九州北部税理士会の税理士、松永恵美子さんでした。
ありがとうございました。