第4回:平成22年10月12日放送分
事業を始める場合 その1
沢田 :
「9月からスタートしましたこのコーナーでは、現役の税理士さんにスタジオに来てもらいまして、税金のことはもちろん、起業や相続、不動産といった専門的な話ですとか、実際に、税理士さんがどんな仕事をしているのかなど、毎週火曜日にうかがっています。今日は、「九州北部税理士会」所属の税理士、松永恵美子さんにお越し頂きました。松永さん、よろしくお願いします!
沢田 :
さて、今回と来週は独立して新しく事業を始める場合に、個人経営にするか会社組織にした方が良いのか、そんなお話をうかがっていきます。どうなんですか? 松永さん!
松永 :
個人経営の場合、会社組織にした場合それぞれメリット、デメリットがありますので実情に合わせて選んでいただいたらいいですね。そこで、今週は個人経営の場合=個人事業者についてお話をしたいと思います。
沢田 :
個人事業者と言えば、原田らぶ子も個人事業者だよね。
らぶ子 :
そうです!社長です。
沢田 :
松永さん、一人でやっている場合は、個人、法人どちらか選択できるんですか?
松永 :
選択できます。今は一人でも会社を設立できますし、実際一人でやっている会社もあります。逆に個人経営でも、従業員をたくさん雇っている方もいらっしゃいます。
沢田 :
そうなんですね。では、個人事業のメリットはなんでしょうか?
松永 :
個人事業のメリットは、ずばり簡単なことです。例えば、会社を作るには、定款を作成したり手続きが少し大変ですし、設立の費用もかかります。会社を作るだけで、少なくとも20万円以上の費用がかかると思います。しかし、個人経営ならば、すぐに始められるんです。
沢田 :
じゃ、個人事業なら、今日会社を辞めて、明日からでも始められるんですか?
松永 :
始められます。ただ、独立して事業を始めたら、自分で利益を計算して、確定申告をしなければいけません。
ナカジー:
それはそうですよね。自分でしなければだれもやってくれない。
松永 :
そんなときは税理士がいますよ。また、会社組織では貸借対照表や損益計算書を作成しなければいけませんが、個人事業者の場合は会社に比べて簡単な帳簿の記入で確定申告をすることもできます。
ナカジー:
そっかぁ、だから会社の決算は大変なんだぁ!
松永 :
そうなんです。それに、会社の場合は会社のお金と社長個人のお金をきっちりと区別しなくちゃいけません。この点は結構戸惑われる方も多いですね。
沢田 :
個人事業で始めて、法人組織に変えることは出来ますか?
松永 :
はい、出来ます。法人成りと呼んでいるんですが、最初は個人経営で始めて、売上が順調に増えて、従業員も増えてきてから会社組織に変える、そういう例は多いです。
沢田 :
大きくなったら法人にしないといけないというわけではないんですね?
松永 :
もちろん、そういうわけではありません。会社にするメリットがなければそのまま個人経営でも構わないと思います。ただ、会社の方がどうしても対外的な信用は大きいですね。例えば取引先の開拓や銀行との取引、それから従業員を雇うときも会社組織の方が信用される傾向はありますね。
ナカジー:
税金はどっちが有利なんてあるんですか?
松永 :
税金ですけれども、個人事業者は所得税という税金が、会社は法人税という税金を払います。一概にどちらが有利とはいえませんが、所得税は累進税率になっていますので、所得が多くなると税金の負担は大きくなります。
沢田 :
高額所得者か。なりたいですね。
松永 :
なりたいですね。個人経営にする、もしくは会社を作る、どちらの場合でも事前の相談が大切です。独立をお考えであったらぜひ税理士にご相談ください。
沢田 :
このコーナーでは、「税理士さんは、どんなときに相談したらいいのか?」我々があまり知らない部分について、色々伺っていこうと思います。
また、税理士さんに質問などがありましたら、パオーン宛に送ってください。
スタジオには、九州北部税理士会の税理士、松永恵美子さんでした。ありがとうございました。