KBCラジオ「5分間の税金話 私の隣の税理士さん」

  • 第5回:平成22年10月19日放送分

事業を始める場合 その2

  • 沢田 :先週から独立開業した場合のお話をしていただいています。今日は、会社の設立についてお話をうかがいます。会社を設立するにはどうすればよいのでしょうか?
  • 川野 :一口に会社といっても、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社といった、いろいろな形態がありますが、今日は、最もなじみのある株式会社についてお話ししたいと思います。
  • 沢田 :有限会社というのもありますよね。
  • 川野 :さすが、沢田さんですね。確かに有限会社というのもありましたが、この有限会社というのは、平成18年の5月に会社法が施行され、有限会社法が廃止されましたので、以降有限会社は新たに設立できなくなりました。
  • 沢田 :えっ、有限会社はなくなったんですか?
  • 川野 :いえ、有限会社がなくなったのではなく、平成18年5月以降は、有限会社は設立できなくなったのです。それより前に設立された有限会社については、引続き有限会社として継続してもよいということですから、今でも世の中に、たくさんの有限会社はあります。
  • 沢田 :会社を設立する場合には資本金とかを決めないといけないですよね。
  • 川野 :株式会社を設立する場合に必要なのは、会社の名前、本店所在地、資本金の額、決算月、役員といったものです。一番心配な資本金の額ですが、以前は最低資本金が決められていて、株式会社は1,000万円、有限会社は300万円でしたが、これも法律が改正されて最低資本金制度は廃止されました。
  • 沢田 :ということは、資本金1円でも株式会社は設立できるんですか?
  • 川野 :そうです。極端に言えば資本金1円でも、会社を設立することができるようになりました。
  • 沢田 :それでは、個人経営ではなくて株式会社にするメリットは何ですか?
  • 川野 :我われ税理士が一番よく聞かれる質問です。やはり、一番のメリットは、外部に対する信用力が上がるということではないでしょうか。その分、決算書の作成なども、きちんとしないといけないという、社会的責任も大きくなります。
  • らぶ子 :どんぶり勘定じゃ、ダメということですよね。
  • 川野 :それに株式会社の場合には、株式の譲渡や贈与ができますので、将来的に事業の継続ができます。
  • 沢田 :ほかには何かありますか?
  • 川野 :会社組織にすれば社会保険に加入できますので。保険料の半分が会社負担になります。
  • らぶ子 :私は個人事業者だから全額自分で納めています。
  • 沢田 :逆に株式会社にした場合のデメリットはあるんですか?
  • 川野 :デメリットということじゃないんですが、会社はどんなに小さくても会社ですから会社法の制約を受けます。取締役の責任を問われることもあります。
  • 沢田 :ナカジーは常務取締役だったね。
  • らぶ子 :そうですよ。責任重大ですよ。
  • 川野 :先週の松永税理士からもお話があったと思いますが、他にも会社にするか個人経営にするか、それぞれメリット、デメリットがありますので、なにより事前の相談をお勧めします。独立開業をお考えでしたら、是非、税理士にご相談ください。
  • 沢田 :今週は、九州北部税理士会の川野秀明さんにお伺いしました。税理士さんに質問などがありましたら、パオーン宛てに送ってください。
    また、九州北部税理士会のホームページもご覧下さい。川野さん!ありがとうございました。
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