KBCラジオ「5分間の税金話 私の隣の税理士さん」

  • 第9回:平成22年11月16日放送分

相続税 その1

  • 沢田 :このコーナーでは、現役の税理士さんにスタジオに来てもらいまして、税金のことはもちろん、起業や相続、不動産といった専門的な話ですとか、実際に、税理士さんがどんな仕事をしているのかなど、毎週火曜日にうかがっています。
    今日は、「九州北部税理士会」所属の税理士、川野秀明さんにお越し頂きました。
    川野さん、よろしくお願いします!
  • 沢田 :前回までは、税理士さんに相談した場合の報酬や、どのようなことを相談すればよいかなどについてお話ししてもらいました。今日は、少しテーマを変えて、「相続税」について教えてもらいたいと思います。
  • ナカジー:なんか相続税っていえば…。ニュースなんかでね、「裏庭に札束を埋めていた」とか、「二階に行く階段の手摺の中に金塊」とか、通常我われにとっては縁のない話のような気がしますよね。
  • 川野 :確かに相続税については、資産家の世界の話しで、あまり自分たちに関係ないというイメージはありますよね。
  • 沢田 :川野さん、そもそも「相続税」って、何なんですか?
  • 川野 :たとえば、私の父親が亡くなったとしますね。それでは、その亡くなった父親が所有していた不動産や預貯金はどうなりますか?
  • らぶ子 :それはお母様や川野さんがもらえるんでしょ。
  • 川野 :そうです。人が亡くなった場合、その亡くなった人の財産は、その人の家族、正確には相続人の方が引き継ぐように民法で規定されています。
    すると相続人は、ただで亡くなった人の財産をもらえることが出来る、つまり得をした訳ですよね。財産をもらって得をしたのだから税金を払ってください。これが相続税なのです。
  • ナカジー:でも、現金ならいいですけど、土地とか建物だったら、お金に換算して払ってくださいと言われてもね。
  • 川野 :中島さん、今のが基本的な考え方ですが、実際に相続税を払っている方というのは大変少なく、国税庁が発表している最新の統計では、人が亡くなって、その亡くなった人の相続人が支払うケースは「4%」しかないのです。
  • らぶ子 :どうして「4%」なんですか?
  • 川野 :それは相続税の計算に基礎控除が設けられているからなんです。この基礎控除というのは、亡くなった人の財産が、この基礎控除額以下の場合は、相続税は発生しないという課税ラインのことなんです。
  • ナカジー:ということは、その「額」が大事ですよね~、いくらなんですか?
  • 沢田 :おっと、中島家は、「4%」の方に入ってる感じでしょうか?
  • ナカジー :「4%」に入っていないと思います。父親は全部使うと一昨日宣言しましたから。
  • 川野 :相続税の基礎控除は、5000万円+1000万円×法定相続人の数という算式で計算されます。この法定相続人というのは、亡くなった方に近い親族のことで、普通は配偶者と子供になりますね。私の場合でしたら、父親が亡くなった場合の法定相続人は、配偶者である私の母親と、子供である私と弟になりますから、5000万円+1000万円×3人で8000万円が相続税の基礎控除になります。
  • 沢田 :財産が、8000万円ですよ。中島家はどうですか?
  • ナカジー:そのくらいあったらいいなと思っていますけど、一昨日全部使うと宣言されましたから。
  • 川野 :私の父親はまだ元気ですが、万が一のことがあったとしても、おそらくそれほどの財産は持っていないと思いますから、相続税の心配はしていないんです。
  • ナカジー:ちなみに…財産が1億円あったら、相続税は“おいくら万円”になります…?
  • 川野 :相続税の計算は大変複雑でして、簡単にいくらくらいということは難しいのですが、もし私の父親が1億円持っていたとしたら、だいたい相続税は200万円程度になります。
  • ナカジー:そのくらいなんですね。
  • 川野 :そうなんです。だいたい皆さん、相続税の心配をされるんですが、そのような反応をされます。ですから、中島さんのように相続税が心配な方は、早めに税理士に相談することをお勧めします。
  • ナカジー:どのくらい持っているのか、家族は意外と知らないですよね。
  • 川野 :相続が起きてからは、どうすることもできないのが相続税ですから。また、今後、相続税の計算も、大きく改正されることも予想されますので、相続税が心配な方は、とにかく税理士に相談してみることをお勧めします。
  • 沢田 :パオーンを聴いている方の中に、相続税を払うことになりそうだ、とか、もう払いました~なんて方がいましたら、パオーンまでお知らせください。
    このコーナーでは、税金について税理士さんにいろいろとお話を伺っています。
    また、税理士さんに質問などがありましたら、パオーン宛に送ってください。
    九州北部税理士会のホームページもありますので、一度、ご覧下さい。
    スタジオには、九州北部税理士会の税理士、川野秀明さんでした。ありがとうございました。
閉じる